hirax.net::inside out::2005年04月23日

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2005-04-23[n年前へ]

「歩いて伝わっていくこと」 その1 

 過去の富士ゼロックスの広報誌GRAPHICATIONを読んでいると、阿部謹也が「歩く文化」をめぐって算額(全国一覧)のことを書いていた。

江戸時代には、算学者というか数学者も日本中を歩き回っていましたね。これは専門の学者ではなくて、アマチュアの数学好きな(道楽)人たちです。そして、各地の神社などに数式を書いた絵馬を奉納してゆく。…誰か解く者はいないかと。そして、絵馬に書かれた問題を解いて廻って腕を磨くわけです。阿部謹也 「歩く文化」をめぐって GRAPHICATION
WASAN 日本全国津々浦々、数学の道場破りをしていくとは。四国一周八十八札所巡りみたいに、算額八十八札所巡りみたいなものもあるのだろうか?

 この後に書かれている「江戸時代の農書では、農民がやってはいけないとされていることとして、美田を買うこと・賭け事・酒を飲む、などの中に-算数に凝る-というのがある」という話も面白い。ということは、つまり算数をしたがる農民も多くいた、ということだろうか? 十字架を隠し持っていた隠れキリスタンのように、算数クイズを隠し持つ隠れ算数農民たちがいたのだろうか?【わしらも実はカネゴン】

青空の"青" 

 幸田露伴の「音幻論」で言及されているという「"青"は、本来、黒と白との中間の不鮮明な色を広く表した。青、緑、藍だけでなく、灰色までも表したらしい」という一節をGRAPHICATIONの中で読む。
 「青春」とか「ブルーな気持ち」とか、色んな「青」に「黒と白との中間の不鮮明な色」を重ねてみるのも、一興か。黒から白までの幅広い色の何処かに、青という言葉を置いてみると、ふと腑に落ちることもあるかも。BGMはもちろん、ザ・ブルー・ハーツの「青空」で。

青空の






ミクロの決死圏@自分の鼻の穴 

Dynamic Nasopharyngoscopy 二ヶ月続いている喉の腫れを見てもらうため、耳鼻咽喉科へ。レントゲンを撮った後に、椅子に座って鼻からファイバー・スコープを喉まで入れられる。ファイバースコープの出し入れが終わったと思ったら、看護婦さんの手で座ってた椅子がクルリンと90度回転させられた。すると、そこには大きなディスプレイ。そして、撮影隊(じゃなかったファイバー経由で撮影された画面)が鼻の穴の中へと侵入していくシーンがイキナリ始まる…。あぁ、自分の鼻の穴でミクロの決死圏を眺めるのは…面白いけれど、いきなりの羞恥プレイだ…。
 関係ないけれど、「鼻」って字も「穴」って字も、何だか本当の鼻とよく似ている。「鼻の穴」なんて書くと、なんだかまるで表形文字みたい。