2010-04-23[n年前へ]
■眠る「睡蓮(スイレン)」
「タンポポの花は、夜閉じる」ことが新鮮だったので、同じように夜眠る花を探してみた。すると、たとえば、(私たちがよく眺める種類の)スイレンもそういう「夜は閉じて眠り、昼には花を開く花」である、と知った。だから、「睡眠の蓮」で睡蓮と名づけられたという。
そういうことを知ると、睡蓮で彩られた公園の池を見るとき、これまでとは違った見方をするようになるように思う。たとえば、それが昼の池なのか、それとも、夜なのかということを意識しながら眺めるようになりそうだ。
「睡蓮」という言葉を見ると、クロード・モネを思い出す人も多いだろう。モネが一番描いたものが、「睡蓮」である。さまざまな色彩で、睡蓮が浮かぶ景色をモネは眺め、絵筆で描き出している。「光の画家」と呼ばれたモネは、光に照らされた風景がきらめくようすを、写真よりリアルに描き出している。
睡蓮には、夜眠り昼咲く種もあれば、昼眠り夜起きる種もあるという。光を描いたモネが見たたくさんの「睡蓮」は、一体、どんな種類の睡蓮なのだろうか。それは、陽の光の下に咲く睡蓮だろうか、それとも、月光の下で咲く花だろうか。