2011-01-16[n年前へ]
■空飛ぶ「お賽銭箱」
年越ししてしばらくたった寒い朝、道端に小さなお賽銭箱が落ちていた。どこかの境内から空を飛び、この場所までたどり着いたらしき「お賽銭箱」の中には、どのくらい入っていたんだろう。
お賽銭は、以前はお金でなく米で、さらに米になる前には石だったという。石がお賽銭だった時代には、お賽銭が空を飛ぶことはなかったのだろうか。
そういえば、海に浮かぶどこかの島では大きな石のお金が使われていて、その石の価値はその石をその島まで運ぶために失われたものたちで決まる、と聞いたことがある。
また、その石貨の価値を決めるのは大きさや目方ではなく、 それぞれの石貨にまつわる涙と汗の物語なのだそうだ。 何百キロもの大海原を越えて重たい石貨をカヌーで持ち帰るには、計り知れない苦労と危険が伴う。 何度も命の危機に瀕し、あまつさえ海に沈んだ者もいた。 どんなに苦労しどんなに犠牲者がたくさん出たか、 そうした涙と汗の英雄譚がその石貨の価値を高めるのだそうで、 苦労して持ち帰られた石貨ほど、価値が高いらしい。 (ヤップの石貨)
ここまで辿り着いた「お賽銭箱」を量るとしたら、一体、どんな目方で量られるのだろうか。